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【書評】「成功曲線」を描こう。 夢をかなえる仕事のヒント

更新日:8月20日


『「成功曲線」を描こう。 夢をかなえる仕事のヒント』

著者:石原 明/出版社:大和書房/ISBN:9784479791898



人生に迷ったときに読みたい


 本書の魅力を一言でまとめると、「勇気が出る一冊」に尽きます。自己啓発本は『思考は現実化する』や『7つの習慣』などたくさん読んできましたが、その中でも群を抜いてわかりやすく「成功する人生とは何か?」について書かれています。著者の石原さんは、成功する人生を実現させるためには日々の努力が必要であり、瞬発力では決して幸運を導けないと断言します。その根拠となるポイントを4つ紹介します。


(1)三日坊主は悪くない

 人は習慣の生き物であり、人生は習慣によって変わります。習慣とは「意識の深さ×反復」によって形成されるもの。習慣を変えるには行動を変える必要があり、それには少し時間がかかります。そして多くの場合、三日坊主で終わってしまいます。ところが、著書はこれを悪くないと言い切るのです。三日坊主が悪いと言われるのは、四日目、五日目にしなかったから。でも、三日坊主を1年間やると大変な成果になります。つまり、失敗しても立ち上がり、やり続ければ成果が上がる。だから、習慣を変えたいなら、繰り返しチャレンジすることが重要だ、と。人は元来怠け者なので、大変勇気づけられる考え方です。


(2)目標達成には右脳を使う

 左脳と右脳をうまく使い分ければ成功に近づきます。左脳は顕在意識の脳で理性や知性が詰まっており、右脳は潜在意識の脳で感情や欲望といったものが詰まっています。潜在意識である右脳に目標を放り込むと、どんな困難があっても目標を成し遂げるまであきらめなくなります。右脳である潜在意識にも人格を与え、「潜在意識さん」と呼びかけ、あたかも人間のように扱うことが大事だそうです(これだけ書くと怪しい本に思われるかもしれませんが、そんなことはありません)。右脳はエンジン、左脳はハンドルとも言っていて、本能である右脳でエネルギーを作り出し、理性である左脳で行き先を決めると良いのです。


(3)成功曲線を描こう

 目標はトップダウンとボトムアップで作ります。誰もがワクワクする大きな目標は、トップダウンで作ると決意が固まり達成しやすくなります。ただし、大きな目標はどこから手をつけたらよいのかわからないので、すぐに取り組める計画をボトムアップで計画を組み立てます。そしてここが一番大事なところ。目標を持ち継続的に努力をしても、最初はなかなか成果が上がりません。ところが、到達したいと思い、日々努力を続けていくとある時点から急激に目標に向かって急上昇していきます。ずっとできなかった鉄棒の逆上がりの練習を続けたら、「ある日、突然できた!」という感覚に近いですね。この急激に上昇カーブを描く曲線を「成功曲線」と言います。人は努力と成功が同じ時間軸でやってくると思ってしまいますが、努力が実を結ぶまでにはタイムラグがあります。まじめな人はそのギャップに悩み、努力することをやめてしまいます。成功曲線とこのギャップを知っておけば継続的に努力ができるはずです。


(4)行動することで次の現実がやってくる

 自分の立てた目標を達成するためには、自分自身が次々に行動することが必要です。自ら行動することで、人生のページをめくっていけるのです。目の前の可能性があることをリストアップして、すべて行動し、消していきましょう。そうすると、次の新たな現実がやってきます。そうやって、成功へとかけ上がっていくことができます。せっかちな人ほど成功者が多いようです。


 本書の良いところは「自分が迷ったとき」「自信を失ったとき」の回復治療薬になるということです。私自身も16年経営していて、自分が想い描いたような成果を上げられていません。自信を失うときもありますが、そのたびにこの本を読んで復活します。「いまはまだ努力の時期で成功は遅れてやってくるんだ!」と言い聞かせているのです。そんな感じで早16年が経ちましたが、それが良いのか悪いのかはまたいつか別の機会に。


 コロナ禍において多くの人が苦しんでいることと思います。ご多分に漏れず私もその一人ですが、ぜひ本書を読んでみてください。いま苦しいのは成功までの助走期間と認識し、あとはワクワクする目標を右脳に落とし込む。若手の社会人やまじめな人、自分を左脳で(理性で)追い詰めてしまう人に特にオススメです。

山本啓一 (やまもと・けいいち)

1973年生まれ。大学に5年在学し中退。フリーターを1年経験後、福岡で2年ほど芸人生活を送る。漫才・コントを学び舞台や数回テレビに出るがまったく売れずに引退。27歳で初就職し、過酷な飛び込み営業を経験。努力の末、入社3年後には社内トップとなる売上高1億円を達成。2004年、31歳でエンドライン(株)を創業。わずか2年半で年商1億2000万円の会社に成長させる。「エッジの効いたアナログ販促」と「成果が見えるメディアサービス」でリアル店舗をモリアゲる「モリアゲアドバイザー」として、福岡を中心として全国にサービス展開中。

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