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執筆者の写真ジェットコースター男

国内最強のマニアが選ぶ 知る人ぞ知る地方のジェットコースター7選

更新日:2022年5月1日


※画像はすべてジェットコースター男さん撮影


国内最強のマニア、ジェットコースター男さんにジェットコースターの魅力を語っていただく小連載。第2回は国内に焦点をしぼり、知る人ぞ知る地方のジェットコースターについて教えていただこう。北は北海道から南は宮崎県まで。地方には個性あふれる遊園地やテーマパークがたくさんあった。



知る人ぞ知る地方のジェットコースター


 現在、国内には約200のジェットコースターが運行しています。地方の遊園地やテーマパークには、日本唯一のめずらしい機種や感動秘話が隠されていたりと、有名ではないけれど個性的なジェットコースターが存在します。第2回では、国内のジェットコースターにすべて乗った私がおすすめする、日本各地の知られざるジェットコースターを紹介します。


国内のコースターをすべて制覇した記念すべき瞬間



【1】日本唯一のボブスレー型ジェットコースター

ボブスター(池の平ファミリーランド:長野県)

 ボブスレーをイメージしたジェットコースターで、ボブスレータイプはここだけにしかない日本唯一のめずらしい機種。座席が横並びではなく、前後に2名で乗る(後ろの人が前の人を抱え込む)タイプなので、カップルで乗ると自然と二人の距離が近くなります。子どもがお父さんやお母さんに抱えられながら乗ることができるので、ジェットコースターデビューにも最適です。


 また、ふかふかのシートに優雅に一人で乗車するラグジュアリー乗りが一部のマニアに大人気。このボブスターに乗車して記念すべき日本制覇を達成できたので、個人的に非常に思い入れの強いジェットコースターです。担当者曰く、古いジェットコースターでいつ営業終了するかわからないとのことなので、乗りたい方はお早めに! 



【2】日本一感動するジェットコースター

キリンフォレストのジェットコースター(大森山ゆうえんちアニパ:秋田県)

 秋田県の大森山にあるキリンフォレストのジェットコースターには、涙なしでは語れない感動の物語が隠されています。昔、大森山動物園には「たいよう」という有名なキリンがいました。全国区になったのは、骨折した脚を切断し義足を装着したことが各種メディアで報道され「義足のキリンたいよう」として広く知られたからです。


 そんなキリンのたいようは、1歳になる前に天国へ旅立ちました。キリンフォレストのジェットコースターは、たいようへの想いを込めてオープン当初は「きりんのたいようくん」という名前でした。先頭にキリンの親子が乗っているかわいいジェットコースターには、実は深い意味が込められているのです。たいようが雲の上の天国から、大森山で遊ぶ子どもたちを見守ってくれています。



【3】設計ミスのジェットコースター!?

ビッグバーンコースター(那須ハイランドパーク:栃木県)

 一番の見どころは、最大落下角度が75度という垂直に近いファーストドロップです。現在では、富士急ハイランドの「高飛車」(第1回参照)のようにえぐるような落下も存在しますが、「ビッグバーンコースター」がオープンした1981年当時の技術では考えられない角度です。実際に乗車してみると、フワッと気持ちのよい浮きではなく、ドーンと崖の上から背中を押されて地面に叩きつけられるような強引な落下で、あまりの強烈さにマニア達の間では設計ミスではないか!?と言われているほどです。


 古いジェットコースターなので巻き上げ時の速度も遅く、真下に落ちる大きなドロップを横目に見ながらゆっくりと頂上へ向かうので、これが恐怖をあおる演出になっています。昔ながらのレトロなタイヤブレーキも味わい深く、ブレーキ時の摩擦によって生まれるタイヤの焦げるような匂いを嗅ぐという乙な楽しみ方もできます。「ビッグバーンコースター」は、より強烈な落下を体験できる一番後ろの席がおすすめです。



【4】動体視力が鍛えられるジェットコースター!?

スチームコースター アイアンブル(志摩スペイン村:三重県)

「スチームコースター アイアンブル」は屋内型のインドアコースターで、薄暗い館内を猛スピードで走行します。館内には西暦2XXX年を舞台にしたレトロフューチャーなアイアンブル・ファクトリーのセットが建てられており、メカ闘牛のかっこいい車両が整備・強化され、いざ闘いの場へ出発! 


 テーマパークならではのストーリー設定や演出がすばらしいので、走行中に隅々まで目を凝らして造形を見てほしいです。猛スピードで駆け抜けるのでこまかいところまで観察するのは大変ですが、乗り続けると動体視力が鍛えられるかもしれません。乗りに行った際には、怖くてもしっかりと目を見開いて、凝りに凝ったセットを楽しんでください。



【5】日本一激しいジェットコースター

ええじゃないか(富士急ハイランド:山梨県)

「ええじゃないか」は知名度が高くて有名ですが、絶叫好きなら必ず一度は乗ってほしい非常に激しいジェットコースターなので紹介します。「ええじゃないか」の座席は前や後ろにグルグル回転しながら走行するので、落下している最中に座席が回転して仰向けになり空を眺めながら落下したり、逆に真下を向いたままの状態で上昇したりと、今までの常識が通用しないジェットコースター。


 さまざまな回転の組み合わせで先の読めない予測不能な展開に、絶叫系に乗りなれた人たちからも恐れられ、世界中のマニアから一目置かれる存在です。三半規管に自信のある方は、日本一激しいジェットコースターに挑戦してみてください。



【6】日本最北端のジェットコースター

ドラゴンコースター(Family 愛 Land YOU:北海道)

 日本最北端のジェットコースターは、北海道紋別郡湧別町にあります。サロマ湖に隣接する小さな遊園地のジェットコースターは、名前のとおりドラゴンの形をしています。地元の子供たちに大人気のドラゴンは、サロマ湖の守護神のような存在なのかもしれません。私はドラゴンコースターで乗車機種数400を達成しました。



【7】日本最南端のジェットコースター

マッドマウス(宮崎市フェニックス自然動物園:宮崎県)

 日本最南端のジェットコースターは、宮崎県宮崎市にあります。動物園内のミニ遊園地に設置されており、こちらも名前のとおりネズミの形をしたジェットコースター。2人乗りの小さなジェットコースターで、急カーブをちょこまか駆け抜けるすばしっこい走りがとてもかわいいです。


 ネズミやドラゴンなど、ジェットコースターは動物や伝説の生き物をモチーフにすることが多く、マッドマウスもドラゴンコースターも同名のジェットコースターが他の遊園地に多数存在しています。


 今回は地方に焦点を当てて、ジェットコースターを紹介してきました。最終回となる次回では、海外に目を向け、日本とは違ったおもしろいジェットコースターを紹介します。



※今回紹介したジェットコースター一覧

【1】ボブスター(池の平ファミリーランド:長野県)

【2】キリンフォレストのジェットコースター(大森山ゆうえんちアニパ:秋田県)

【3】ビッグバーンコースター(那須ハイランドパーク:栃木県)

【4】スチームコースター アイアンブル(志摩スペイン村:三重県)

【5】ええじゃないか(富士急ハイランド:山梨県)

【6】ドラゴンコースター(Family 愛 Land YOU:北海道)

【7】マッドマウス(宮崎市フェニックス自然動物園:宮崎県)

 

ジェットコースター男

世界456機種(国内はすべて制覇)に乗車した経験を持つ。その素顔は日本で唯一のジェットコースター専門店(名古屋市大須)の店主。お店を経営しながら、ジェットコースターの魅力を発信している。

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