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執筆者の写真篠丸達也

【肩こり解消】デスクワークに効く、2つのストレッチ

更新日:2021年11月22日



『背中握手で、ねこ背が治る!』の著者でもある篠丸達也先生による本連載。第2回からはいよいよ具体的なシーンに合わせたストレッチを紹介していただく。今回はデスクワーク。机に座って仕事をする場合、気づけば長い時間を同じ姿勢で過ごしている、という人は少なくないはずだ。身体のパフォーマンスを十分に発揮するために、ここで紹介するストレッチをスキルとして身につけよう。



デスクワークの特徴と起こりがちな不調


 第1回では、田んぼの真ん中で30年診察を続けている接骨院の2代目である私の話と、仕事に全力を尽くしたり、筋トレやスポーツをして体力をつけたりする上で、そもそもの体調管理がとても大切だし、姿勢や身体のなめらかさはビジネスシーンでも大切な第一印象に関わるから、ストレッチってした方がいいよ、ということをお伝えしました。


 今回からは、①背中握手できるようになるストレッチ法のご紹介と、それらが活きる②具体的なビジネスシーンについて解説していきます。


 当院にお越しになるデスクワークの方は、業務時間中ずっと座ったまま、パソコンと向き合っている方が多いです。動いているのは、目と肘から先だけ。気づけば2~3時間経過しているということもあるそうです。肩こりや頭痛、足の冷えにお悩みの方が多い傾向にあります。


 そんなみなさんには、①長時間同じ姿勢で②身体をほとんど動かさずに集中しているという共通点があります。たとえば、私の接骨院の診察業務のほとんどは立ったまま行います。カウンセリングや事務作業の時間は座っていますが、診察時間中は基本的に立ったまま施術を行っているので、朝から晩まで立ちっぱなしということもあります。


 しかし、「長時間同じ姿勢=立ち仕事」ではありますが、「身体をほとんど動かさずに」というわけではありません。お客さん1人1人のその日の症状に応じて施術を行うわけですから、移動もしますし、体勢も変えるので結構身体を大きく使いますし、施術中の話題もそれぞれ違います。私の仕事は、適度に身体を動かしながら、適度に他者とコミュニケーションを取ることができる非常に健康的な仕事なんじゃないかと思っています。


「先生、毎日毎日疲れるでしょ?」と気を使ってくださるやさしいお客さんもいらっしゃいますが、実はおかげさまでとっても元気なわけです。不調があるとすれば、私、声は小さいですがよく喋るので、強いて言うなら喉が渇くということくらいでしょうか。



デスクワークで使えるストレッチ


 では、実際に使えるストレッチをご紹介していきます。座ったままできるものと、立って行うものがあります。当初1つだけでいいかなと考えていましたが、あえて2つにしました。理由はのちほどお伝えします。


 まず、座ったまま行うストレッチです。主に胸の筋肉に効果があります。スタート姿勢ができているかしっかり確認した後に開始してください。その方が高い効果を期待できます。


【スタート姿勢】

・背すじをのばす

・肘を直角に曲げたまま、腕を上げる

・手のひらは頭の方を向いている状態


【ストレッチ方法】

・手のひらを外側に向け、息を吐きながら後ろへ

・スタート姿勢に戻り、繰り返し10回ほど連続して行う

 道を歩いていて、ふとすれ違った人が知り合いだったことに気づいて、軽くあいさつをするために上半身だけで振り返り、笑顔で手を挙げた。みたいな動きです。


【注意点】

・肘を下げないこと

・後ろに人がいないことを確かめること

※万が一、たまたま後ろを通りがかった人に手が当たると、少し嫌な空気になります。


 次に、立ったまま行うストレッチです。脇の下から背中の筋肉を伸ばしていきます。


【スタート姿勢】

・背すじを伸ばす

・壁から1メートルほど離れて立つ

・手をあげ、肘をしっかり曲げる(曲げた手は後ろにだらりとさげる)


【ストレッチ方法】

・壁に脇を押し付け、筋肉を伸ばす

・そのままゆっくり呼吸をする

・スタート姿勢に戻り、2~3回繰り返す


【注意点】

・壁から離れすぎないこと

・周りに人がいないことを確かめること

※本気でストレッチをしているとき、不意に人と目が合うと、お互いにリアクションに困ります。仕事中は特に。


 以上です。立ったまま行う方のストレッチは、1時間に1回くらいを意識してやってみてください。



健康的にデスクワークをこなすために


 今回お伝えするストレッチは2つでした。なぜ2つだったのか。しかも、座ったままできる方が手軽で続けやすいのに、わざわざ立ちあがって、さらにちょっと人目につかないところまで移動しないといけないとなると、すごくめんどうくさい……。


 それでも、2つやってみてください。私は、デスクワークをがんばる方々に、1時間に1回程度、仕事中に歩いて移動したり、誰もいないところで一息つく時間を作ってほしいのです。今日始めて、今日劇的に変わるわけではありません。むしろ、ほとんど変化を感じないかもしれません。


 でも、それが重要なんです。少しずつ習慣を作り、自分では気づかないレベルで身体が変わっていき、いつのまにか辛く感じていた肩こりや頭痛が軽くなっている。短期的に努力して結果を出すのではなく、中長期的に取り組み、いつのまにか当たり前になっている。そんな体験をしてもらえると、本当に健康的なワークスタイルを確立することができるのではないでしょうか。


 これらのストレッチを通して「背中握手ができる」というのは、数あるゴールの中の1つでしかありません。デスクワークをがんばるみなさんが、よい姿勢とよい習慣を身につけてくれることを願っています。


 それでは、次回も①背中握手できるようになるストレッチ法のご紹介と、それらが活きる②具体的なビジネスシーンについて解説していきます。

 

篠丸達也(しのまる・たつや)

篠丸接骨院 院長。1986年、香川県仲多度郡多度津町生まれ。2009年に四国医療専門学校を卒業し、国家資格を取得。2011年にしのまる接骨院を開院。その後、父親が経営する篠丸接骨院を継ぎ、現在に至る。骨盤矯正やねこ背の矯正のほか、寝違え、五十肩、ぎっくり腰、膝の痛みなど、幅広い症状に対して治療も行う。診断から目標設定、改善、メンテナンスまで、患者さんとのコミュニケーションを重視する方針が評判を呼び、年間7000名、13年の治療で8万人以上を診療している。

 

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