同居ストレスが限界。逃げたい気持ちをどうすればいい?|カレー坊主のお悩み相談
- カレー坊主

- 3月16日
- 読了時間: 4分
更新日:3月28日

【カレー坊主のお悩み相談 #01】新連載の初回は「同居ストレスが限界」という相談です。姑と19年間同居し、嫌悪感が募る一方で「そう思う自分」を責めてしまう、とのお悩みに、カレー坊主さんが「家族との距離」の考え方を整理しながらお答えします。
【相談】
姑と19年同居。慣れるどころか嫌で嫌でたまりません。悪い人ではないけど、うっとうしいです。いなければいいのにと四六時中思っています。娘と夫との家族3人水入らずの生活をしたいという鬱憤がずっと蓄積されています。ですが、こんなふうに思う自分はなんて性格が悪いのだろう、という自己嫌悪とも闘っています。突き放すことも受け入れることもできません。(50代、女性、パート、みみみさん)
【希望する回答の「辛さ」】
お任せ
【カレー坊主さんの回答】
みみみさんへ。
19年間の同居。赤ちゃんが生まれて大学に進学するくらいの時間です。子どもなら、そろそろ家を出ていく頃です。でも同居生活には「卒業式」がありません。それがまた、しんどいところですよね。
そしてみみみさんは書いておられます。「こんなふうに思う自分は性格が悪いのではないか」と。でも私は、その文章を読んで、性格が悪い人だとは思いませんでした。むしろ、とても正直な人だなと思いました。
人は、嫌なものを嫌だと思う生き物です。当たり前のことです。ただ問題は、相手が「悪い人ではない」という点です。これが本当に困るんですよね。
相手がひどい人なら、「もう無理です」で話は終わります。ところが相手が普通にいい人だと、「いなければいいのに」と思った次の瞬間、「そんなことを思うなんて自分はひどい」と自分で自分を責めることになります。
怒りと罪悪感。この二つを同時に抱えるのは、なかなか大変です。しかも19年。これはもう、よく耐えてきたと思います。
実は私も、結婚後しばらく実の両親と同居していた時期があります。高校まで一緒に暮らしていた家族ですから、「まあ大丈夫だろう」と軽く考えていました。ところが、これが案外うまくいきません。
味付けの濃さ。
生活のリズム。
台所の使い方。
お風呂のタイミング。
一つ一つは小さなことです。指摘するほどでもない。でも「なんだかなあ」が、じわじわ増えていきます。
大学で数年離れて暮らしただけなのに、家族の習慣は思っている以上にズレていました。
実の親ですらそうなのです。義理のお母さんとの19年なら、なおさらです。家族というのは、ときどき「一番近い他人」になります。
仏教に「独生独死」という言葉があります。人は独りで生まれ、独りで死んでいく。つまり、どんなに近い家族でも、結局はそれぞれ別の人生を生きているという意味です。
少し冷たい言葉に聞こえるかもしれません。でも私は、この言葉がけっこう好きです。なぜなら、「家族なんだから分かり合えるはず」というプレッシャーから、少し自由になれるからです。
家族でも、分かり合えないことはあります。むしろ、分かり合えないほうが普通です。みみみさんは「突き放すことも受け入れることもできない」と書いておられました。でも人間関係は、必ずどちらかを選ばなくても大丈夫です。突き放さない。でも受け入れきらない。実は多くの関係は、そのあたりの距離感で続いています。
ちなみに私は、この状態を勝手に「常温の関係」と呼んでいます。熱々でもない。冷えきってもいない。これくらいで十分だし、むしろそのほうが人は長く一緒にいられるものです。
もし余裕があれば、一度ご主人に今の気持ちを少し話してみてもいいかもしれません。「お義母さんが悪いわけじゃないんだけど、正直ちょっとしんどいときがある」そのくらいの言葉でもいいと思います。言葉にするだけで、心の中の空気が少し入れ替わることがあります。
19年という家族の時間。カレーで言えば、何度も火を入れながら守ってきた鍋みたいなものです。ときどき味が濃くなったり、焦げそうになったりもする。それでも、そのたびに火加減を調整してきた。
もしカレーだったら、そろそろ鍋ごと表彰されてもいい頃です。その19年は、なかなか立派な時間だと、私は思います。
【答えた人】

カレー坊主
浄土宗僧侶/一般社団法人仏教カレー協会 理事
1984年生まれ、長崎県大村市出身。一般家庭に生まれ育ち、大学を卒業後すぐに縁あって僧侶の道へ進み、2008年に浄土宗教師となる。現在、 浄土宗長安寺(長崎県大村市)に勤務。誰もが気軽に参加できる無料イベント「いきなりカレー」や、地域の子ども食堂の運営にも参加し、地域社会と仏教を結びつける活動に力を入れており、カレー好きな僧侶 「カレー坊主」として、SNSを通じて日々の活動や仏教をユーモアを交えながら発信している。好きな言葉は「とりあえず、やってみる」。著書に『カレー坊主が教えてくれた みんなの仏教入門』(白夜書房)がある。
X(Twitter):@curry_boz
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